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ブログ「一般道各駅停車の旅」

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2008年 06月 20日

別れの季節

こちらの会社に出向してから、大変お世話になった社長。
厳しく、細かく、口うるさかったけど、
本当に・・・、本当に可愛がってもらった。
他の社員と違って、生意気なボクは社長に反論したり、楯突いたりすることも・・・。
時に「俺を訴えるか!?いい度胸だ!!」なんて事も・・・。
でも、どんなに怒られても、認めてもらっているのが分かっていたから、辛くなかった。
肝心なところを任してもらっているのが身にしみて分かっていたから、いつも感謝してた。
口先だけ従順な部下ではいたくなかった。
会社の為に、敢えて進言するのも、社長への誠実さだと思っていた。
そんな社長に、長い会社生活にピリオドを打つ日が近づいてきた。
最近は、全然怒らなくて、なんだか寂しそう・・・。
社長室からの電話に、どんな難解な指示があるかと思って社長室に急行するも、
大したことのない業務・・・。
挙句の果てには、「最後の最後まで、すまないなあ・・・。」
社長からこんな言葉を聞くとは思わなかった。
父親に腕相撲で勝ってしまった時に似た寂しさ・・・、
そんな寂しさがこみ上げた。
社長には最後の日まで、懐刀として誠心誠意尽くさせて頂くつもりである。

別れの季節_f0040493_2195251.jpg
また、在籍している会社時代から出向会社にかけて
長きに渡ってお世話になったM監査役。
やはり、会社生活の最後の時が、刻一刻と近づいている。
そんなMさんから呼ばれて、席に向かえば、
「これやるよ!」と、愛用している製図用のドイツ製のペンを・・・。
このお方のトレードマークといっても過言でないこのペンは、
長い年月を経て、消耗が激しく、
仮に、フロアに落ちていても拾う人など居ないかもしれない。
しかし、そのペンに刻まれた汚れや傷のひとつ一つが全て、
私のお世話になったMさんの生き様であろう。
他部署や組織と喧嘩をしてまで、部下の私を守ってくれたこともあった。
そんなMさんにとって大切な記念であるペンを、本当に頂いてしまって良いものか・・・。
そんな問いかけに、Mさんは「これが、縁だ。」と少しだけ笑った。
そうだ、この方も昔は、いつも怖い顔ばかりしていた。
しかし今日の笑顔は、達成感と寂しさで、なんとも言えない良い表情をしていたんだ。

Takuma@一般道各駅停車の旅

by ichikakutabi | 2008-06-20 18:09 | 柄にもなく・・・ | Comments(2)
Commented by でるぞ~ at 2008-06-21 08:37 x
Takumaさんの文章読んで涙ぐんだのは初めてかな。(笑)
素晴らしい上司に恵まれて良かったですね。
Commented by ichikakutabi at 2008-06-21 19:00
でるぞ~さん、コメントありがとうございました。

読み手の方が涙ぐんでくれたなんて、お世辞でも嬉しいですね。
普段は書き手が泣いているブログですから・・・、
成田で!!爆


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